講演会やセミナーを開催する際に最も重要なことは講師の選定です。講演会の目的にあったテーマで講演できる講師に依頼をしなければ、当初の想定とはまったく結果が違ったものになります。また、そもそも講師となる人物と深い付き合いがあるのであれば問題ではありませんが、交流のない人物に依頼をするとなると、入念な下準備と丁寧な対応が不可欠です。
今回の記事では講演会を開催するにあたって、講師に依頼をする方法、講師を選ぶ際のポイント、講演後のアフターフォローについて詳しく解説していきます。
目次
講師に依頼をする方法
講師に依頼する方法は主に3通りの方法があります。
講師に直接依頼状を送る
講演をお願いしたい講師がすでに決まっている場合は、直接講師に依頼状を送る方法がいいでしょう。講演に対する熱量も伝えやすく、依頼を受けてもらいやすいです。
依頼状はEメールまたは手書き書面での郵送が一般的で、宛先は講師の公式サイト、所属している団体のサイトや発行紙面、その講師の著書などに記載されています。また、「講師名鑑」というものが書店で販売されており、そこに掲載されている講師であれば、連絡先も併記されています。
依頼する際の文面は、講演会で話して欲しいテーマ、日時や講演料など、記載すべき情報に不足がないように気を配らなくてはなりません。人気講師の場合、毎日のように講演依頼が届くこともあり、講師側から不足情報の確認の折返し連絡がくることはよくありません。
共通の知人からの紹介
テーマに沿った講演ができる講師を知る知人がいれば、その人物を介して講演依頼をする方法も有効です。間に共通の知人がいることで依頼を受けてもらえる可能性は大幅に上昇するといえるでしょう。また、知人から講師の人となりを聞くこともできるため、事前の情報収集の手間も大きく省けます。
知人にはあらかじめ話を通してもらう程度にし、改めて依頼状を送ることが正式な依頼方法です。すべてを知人に仲介してもらうことはかえって失礼にあたるため注意しましょう。
インターネットサービスを利用する
人気講師をデータベース化し、サイト上で検索・依頼までをワンストップで行えるインターネットサービスは複数あります。講演テーマが決まっているものの、最適な講師が思い当たらない、という場合にとても有用です。
講師が対応できる講演テーマなどから検索条件を絞り込むこともできます。講演料の折衝やスケジュールの確認はもちろん、遠方での講演の場合は移動方法や宿泊施設の手配まで代行してくれるケースもあります。
依頼状にあたる専用フォーマットが用意されているため、そこに入力すればいいだけになっています。講演会の開催に不慣れな依頼者にもおすすめです。
講演会の講師を選ぶ際のポイント
講師の選定は講演会の成功において最も重要な工程といるため慎重に行いましょう。また、目的の講師に依頼を受けてもらえるとは限らないため、対応が後手に回らないように、あらかじめ複数人候補をリストアップしておく必要もあります。
講演会のテーマ・目的・効果を明確に設定する
どのような目的で講演会を行うのか、講演の結果どのような効果に期待をしているのかなど、テーマのみならずその周辺までを明確にイメージしておかないと、その講演会にマッチした講師の選定は不可能です。
講師のプロフィールや過去の講演情報・著書を入念に精査する
講演会のテーマが決定して講師のリストアップが完了したとしても、その講師が依頼者の想定する内容での講演を行える人物であるかを、精査する必要があります。
同じテーマであってもその講演の結論として帰着するのは講師それぞれで違います。いざ講演が始まって、想定とはまったく逆の結論で終了してしまったとなると、依頼者側としては講演会が成功したとはいい難いでしょう。
事前に候補として挙げた講師のプロフィールや著書などを確認し、目的に沿った内容で講演できる人物であるかを見極めなくてはなりません。
聴講者との相性を考慮する
なるべくなら権威のある、著名な講師を選びたいところではありますが、その講師が「どの年代で・どの界隈で」著名である人物であるかも重要なポイントです。
聴講者に40〜50代が多い講演会に20代の講師を登壇させては、いくら実績がある人物であったとしても聴講者に響く講演会になることは難しいのが現実です。講演会の実態としてあまり正しい形とはいい難いものですが、考慮しなくてはならない部分です。
講演会後は講師へのお礼状を送りましょう
講演会が終了したあとは、時間を置かずに講師にお礼状を送ることがマナーです。丁寧なアフターフォローは次回の講演依頼に大きく影響します。
単純なお礼文だけではなく、依頼者として、講演を聴いた者としてどのような感想を持ったかなどを端的に併記しておくとより丁寧なお礼状となります。また、聴講後のアンケートの提出などを事前に約束している場合は、確実に果たしましょう。
まとめ
講演会を開催するにあたって、講師の選定は講演会の成功を根底から左右する重要なプロセスです。講師に依頼する方法は主に3通りあり、状況によって最適な方法を選択しましょう。
- 講師に直接依頼状を送る
- 共通の知人からの紹介
- インターネットサービスを利用する
講師の選定にも押さえておくべきポイントがあります。講演会の目的や効果、結論の帰着点などを依頼者側が詳細までイメージし、講師と共有をしなければ講演の内容にほころびのある、または想定しない結果に終わってしまう可能性があります。
また、講師にも個々人の主義・主張があるため、講演テーマが一致しているだけでは適した講師とはいえません。依頼する前の時点で講師のプロフィールや著書で講演会の方向性とマッチしている人物であるかの精査が必要です。さらに、聴講者と講師の年代差や講師の権威性なども現実問題として考慮すべき点です。
講演後は講師へお礼状を送ることが最低限のマナーです。依頼時の約束事を尊守することも次回の講演に大きく影響するため、忘れずにフォローアップしましょう。